ヘルパー講習の思い出

サンライズ・メイト・バート 代表取締役の井上です。

前回は、「人生の大転換」として、介護の道を志した話を書きました。

 

かくして、私は特養主催の「ホームヘルパー2級講座(現・介護職員初任者研修)」を受講することになり、通い始めました。

受講生は、ほとんどが施設内に在籍する職員ばかりで、外部から来たのは私一人・・・

少々不安に感じましたが、席に着くと唐突に、前に座っていた若い男性職員が、私に話しかけてきました。

 

「井上さんは、どうしてヘルパー研修を受けようと思ったのですか?」と。

 

私は、以前テレビで見た介護の特集番組を観たことを盾に、「介護という職業はとても素晴らしいと思っていたので、私は受講しました」と答えました。

 

すると、その方がいきなり私の両手を取り「ありがとうございます!」と深々と頭を下げはじめるではありませんか!!

 

正直なところ、私がヘルパー講習を受ける動機となったのは、「ヘルパーは時給が高いから」というのが本音でした(笑)。

しかし、そんなことは言えず、つい・・・

 

にもかかわらず、その方は大変感激されたようで、少々動機が不純(?)の私に、深々と頭を下げるのです。

私は、心が洗われました。あの時の深々と頭を下げる受講生の姿が、今でも忘れられません。

 

その方も素晴らしい方だったのですが、一緒に受講した仲間たちも、また素晴らしい方々ばかり。

 

介護の世界は、閉鎖的な印象を持っていましたが、そこの人たちは違いました。

唯一、外部の人間だった私を、皆さんが温かく迎えてくれ、いつも昼食に誘ってくれました。

 

講師の方が一人で食事を摂っていると、すかさず誘い合わせて声をかけたりし、とにかく周囲への気遣いが素晴らしいのです。

 

周囲への気遣い・・・

何気ないことかもしれませんが、なかなかできることではありません。

介護の仕事をされている方は、人間としても素晴らしい方々なのだなと、私はその時かなり感動したものでした。

 

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